短編官能小説3

by Mr.Peach

『女体味くらべ−秘肉の疼き』




一条冴子は喘いでいた。
乱れた髪が汗に濡れ、額に絡みつく。
男の全体重が冴子に圧し掛かる。
男も冴子も息を荒げ、絶頂を向かえようとしていた。
冴子の豊かな胸が激しく上下動する。
男が激しく腰を振りたてる。
(ああ、もうダメ!)
冴子が大きくのけぞった。
「旭鷲山〜!」
行事の軍配は相手の男に翻った。
両国国技館。
大相撲初場所も千秋楽を向かえ、館内のボルテージは次第に高まっていく。
冴子(水戸和泉の義体に入っている)は今場所も負け越してしまった。それは幕内からの陥落も意味していたのだ。
(せっかくのレアな力士の義体だけど、この体はダメねえ。)
『ただいまの取り組みは寄り切り、寄り切って、旭鷲山の勝ちです』
花道を引き上げる冴子に、客席から惜しみない拍手が飛んだ。
「大丈夫、大丈夫!また上がってこれるよ!」
「来場所も土俵に上がってよ!」
着飾った中年の婦人数人が黄色い声を上げながら冴子の体にべたべた触る。
付き人に前下がりを預け、冴子は風呂に向かった。



風呂で汗を流しながら、冴子はこの体を選んだ事を後悔していた。
しかし、もって生まれた特異体質と過酷な鍛錬から生まれる力士の体は、いかなバイオテクノロジーをもってしても再現できるものではない。財閥の力でも力士の義体を製作するのは不可能なのだ。
(そうよね。一条冴子の義体の時よりも、今の水戸和泉のこの体のほうが格段に戦闘力は高まっているのだから。)
冴子は思い直して、その大きな両手で顔をパンパンと叩き、気合を入れ直した。



月は変わり、冴子は地方巡業に来ていた。
冴子の周囲の者たち、協会関係者、そして日本全国のファンは水戸和泉の変貌に少なからずとまどっていた。
「関取は何故トレードマークである塩のパフォーマンスをやめたのですか?」
協会には抗議の電話が殺到しているという。
「何故って?
あんな非科学的な行為は取り組みに関係ないでしょう」
ファンへのサービス精神溢れる人気者であった水戸和泉は人が変わったように(実際変わっているのだが)高飛車な態度を取り始めていたのだ。
相撲界の閉鎖的なしきたりの数々も冴子をいらつかせた。
それまで水戸和泉が築き上げてきた人望でここまでやれてこれたのだが、生粋のお嬢様気質の冴子にはそれが理解できなかった。
巡業先では冴子を煙たがる力士もちらほら現れ始めていた。
冴子が座る位置に対して、琴乃和化の付け人が文句をつけてきた。
「水戸和泉関。なんで関取がうちの兄弟子より上座にいるんです?」
冴子の付け人が言い返す。
「なんだよ、うちの兄弟子は3月の番付発表までは幕内力士だぞ!」
「そんな事言ってんじゃねえよ!
今の番付でもうちの兄弟子のほうが上だっつってんだよ!」
「やめんか!」
琴乃和化が一喝した。
「水戸和泉関、うちの若い者が申し訳ないっス。お恥ずかしい限りっス。自分の教育が甘いっスね。」
「あっそう。私は別に気にしてないわ」
冴子は結局その席を動く事はなかった。



冴子はその夜、東洋ホテルのロイヤルスイートルームにいた。
昼のぶつかり稽古の時、土佐の膿に「関取、ちょっと相談事がありまして」と呼び出されたのだった。
冴子が宿泊しているホテルは法華クラブだった。所属する高佐古部屋には冴子より番付が上の力士もいて、部屋の予算の都合など諸々の理由からここをあてがわれていた。
(この義体より若い土佐の膿があたしより格上のホテルなの?)
冴子は内心面白くなかったのだが(もっとも冴子の実年齢を持ってしても彼は若いのだが)むっつりとしながらも、土佐の膿の部屋をノックした。
「おお、関取!お待ちしてました」
土佐の膿が冴子を招き入れた。
部屋全体をひとしきり眺め、冴子は
「ふん。ロイヤルスイートだって言っても所詮は田舎クラスの寂れた佇まいよね」
と悪態をついた。
そんな冴子を土佐の膿がドアのロックを掛けながら、クスっと笑って潤んだ目で見つめた。
「この瞬間を待っていたわ、水戸和泉関。いや、冴子姉さん」
「!!」
「ふふ、私が誰だか理解していないようね。
私よ、九条綾乃よ。」
「あ、あやの〜!?」
冴子の母方、一条家は元来、九条家の分家である。
この平成の世においても華族の力関係は生きていた。
冴子の天敵、九条綾乃が土佐の膿の義体に入り、冴子の眼前に立ちはだかっていた。



話は10年前に遡る。
当時、冴子は高校生、綾乃は中学生だった。
綾乃は小さい頃から冴子を実の姉のように慕い、なにかにつけ纏わりついていたのだが、綾乃は実は同性愛者だった。
冴子はその日、家格のプレッシャーとアルコールの勢いもあって、綾乃と一晩を共にした。
以来、綾乃の冴子に対する愛憎は日増しに高まり続け、遂には角界まで彼女を追って来たのであった。



冴子が珍しく動揺していた。
冴子は互いの義体の戦力差を十分に理解していたからだ。
「綾乃、前から何度も言ってるけど、あれは一晩限りの遊びなの。ね、わかるでしょ?」
「ふふふ、冴子姉さんはたった一晩の遊びのつもりだったかもしれないけど、あたしの体についた火は、もう10年も燃え続けているのよ」
互いの声は力士特有の潰れた嗄れ声である。
冴子は努めて冷静に状況判断をこなす。
たったひとつの脱出口には綾乃(土佐の膿)の巨体が立ちはだかっている。中央突破を試みようにも、戦力差は歴然。電子補助脳を総動員して、冴子は孫子の兵法を検証していた。
「観念したわ、綾乃。ベッドルームに移りましょう」
「そうこなくちゃ」
綾乃が丸太のように太い腕を冴子の幅広の肩に回し、ベッドルームに向かう。
その時、冴子は綾乃の纏う浴衣の腰紐に右手をこじ入れ、上手出し投げを放った!
が、しかし。
長年の土俵生活からこの義体の右腕は崩壊寸前であったのだ。
ビシッ!
冴子の右腕に鋭い痛みが走りぬけた!
「うぐっ!」
一瞬、力が抜けた隙を綾乃は見逃さなかった。
「姉さんの考えはお見通しよ!」
怒涛のがぶり寄りで、まさに電車道の如く冴子の体をキングサイズのベッドまでいっきに押し込んだ。
二人の巨体がベッドにもつれ合う。
「やめて!」
「体は違っても、姉さんの弱点は変わらないはずよ」
綾乃の節くれだった太い指が冴子の最も敏感なその部分を軽く撫ぜる。
「あふぅ」
しゃがれた暑い吐息を吐く冴子。
その厚い唇を綾乃の無骨な唇が覆う。
綾乃の大きな舌が冴子の口に割って入る。
綾乃の岩のような左手が冴子の豊満な乳房を揉みしだき、牛のような広い舌が冴子の屋久杉の幹を思わせる太い首筋を這う。。。。。。



書いてて気分悪くなってきたんで、以上。終わり。
※リクエストがあれば、がんばって最期まで書いてみます。




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