RX−8様の売りのひとつに、4人乗れるスポーツカーというのがあります。
RX−7だとかCR−Xだとかのスポーツカーが身近にいた人ならわかるかと思うのですが、スポーツカーのリアシートは人が乗れる代物ではありません。あれは荷物置き場なのですよね。
このRX−8様はそこをクリアされました。その秘策がこの観音開きのドアなのであります。
世の女性たちもこのRX−8様の大胆さを見習ってほ・・・もとい、なんだ、えっと、普通は前席と後席の間に存在するはずの柱(センターピラーという)が存在しないので、広大な空間が確保できているのですね。ドアと車体の構造を練りに練っているので、安全上も問題ないそうです。とゆーか、非常に安全らしいです。
そんなこんなで下手なセダンより広大な空間を確保なさっておるのであります。
ロドスタ乗りの俺には東京ドームのような印象を受けたね(誇大表現)。
車内空間は広大と言いましたが、運転席は適度に狭いです。狭いという言い方は語弊があるな。ひきしまった空間であります。タイトなコクピットとゆーやつですね。
三連メーターに鼻の穴がふくらみます。
こういう文句を言うのは不謹慎なのですが、エアバッグは乗員の身体保護に大きく貢献したわけなのだけど、美的にはやめてほしいです。ナルディやモモ等の伝統的なコンパクトなハンドルのほうが美的には優れているよね。
まあ美にこだわって死んだり顔が砕けても馬鹿馬鹿しいので、素直にエアバッグさまマンセーと言っておこうではないか(そういや俺のロドスタはエアバッグが無いのであった)。
試乗車は豪華(?)なオプションがついた TypeE であります。
インパネの上に見えるダッシュボードから、ナビシステムのモニターがにょ〜って立ち上がるのだ。ガンダム。
シートにあしらったおむすび型の穴は、ロータリーエンジンを模った粋な演出であります。
シートのホールド性や乗り心地は、街乗り程度の試乗では吟味できないですね。違和感は無かったけどね。有名なロドスタの最悪シートと比べるべくも無いと(笑)
(ロドスタのシートは評判悪いけど、俺はあれはあれで好きなのだ。長時間ドライブに音を上げるようなんは漢じゃねえぞ、と)
さて、本題の走行性能です。
まずエンジン音の静粛性に驚きました。
RX−7までのロータリーはターボにターボをかますといった、ドーピングマンセー的超ハイパワーユニットでありました。しかし、それは仕方の無かったことらしいのです。というのは、ロータリーは高回転までいっきに回るスムーズさが売りなのではありますが、反面低回転域でのトルクが不足しがちだったらしいのです。それを補う目的でターボでの過給は必須だったと。
さて、RX−8様は自然吸気ロータリーであります。なんか難しいことはよくわからんのですが、画期的な発明をしたのでしょう、ステロイドで造ったグラップラー刃牙系筋肉ではない、ナチュラルな引き締まった筋肉を期待しようじゃあござんせんか。
キーを捻ります。
新しい境地に到達したそのロータリーエンジンは一発で目覚めました。
ロータリーは低回転時の音のしょぼさがよく言われるんですが、過給器を取り払った効果なのでしょうか、エンジニアたちの努力の賜物なのでしょうか、しょぼいという感覚はありません。それでいてレシプロエンジンの突きあげるようなショックが感じられません。振動はまさにモーター感覚です。唸る音がモーターでは無い内燃機関であることを主張しております。
ギアを1速に入れてハクソーのような独特の形状のサイドブレーキをおろし、クラッチをゆっくりミートします。
ハイパワーターボ車の有り余るトルクには遠く及ばないながら、自然吸気ならではのエンジンの呼吸が足の裏を伝わってくる感覚がなんとも言えないです。
そしてレシプロエンジンとの明確な差が低回転から高回転までスムーズに、そう、まさにモーターのように吹け上がってゆく感覚です。
試乗車ということで遠慮が入って、レッドゾーンまで回せなかったわけですが、アクセルを踏み込んだだけ、回転が上がってゆくんです。全くストレスを感じることなく。過給器で強引に引っ張りあげるのではなくて、ナチュラルな吹け上がり。これが自然吸気ロータリーなのかと。アクセルを踏み込む右足に忠実に反応する車速。グワーってよかギュイーンってんですか?(ああ、自分のボキャブラリの少なさにげっそり)
これはまじ、すげえです。鼻水出たです。
シフトもマツダのお家芸ともいえる、手首の動きだけでコクコク決まるクイックなショートストローク。小気味いいです。試乗だと6速入らないですね。
そして足回り。街乗り程度では揺らぐということを知らないんじゃないかってーくらい強靭な足腰です。その磐石さはこないだ引退した貴乃花関の絶頂期を感じさせるものでした。←なんか重そうな表現ですが。
それでいてゴツゴツ感はないんですよね。
重量配分が絶妙なので、ハンドルを切って曲がると、運転している自分を中心にくるまが曲がってゆくんです。これはロドスタも同じですが、足腰の強靭さは比べるべくも無い安定しておるです。ロータリーエンジンという軽量コンパクトなユニットだからこそ、この重量配分がより生きるのでしょう。パワーも申し分なし。ハンマーでぶっ叩かれるような強烈な印象は感じません。中速域までは、むしろ上品と言ってよいしっとりしなやかな印象があるです。この辺が販売台数に結びついている秘密なのでしょうか。それでいてその上品な走りからさらにアクセルを踏み込むと、まだのびる、のびる、のびる。天井知らずってやつですか。これは・・・峠走らせてくり〜!
素晴らしい。
惚れた。
惚れたよRX−8。
アンタはケンシロウだったよ(謎)
この試乗記の冒頭で書いた「RX−8はRX−7より性能がプアになったのではないか」という自問に答えてみる。
セブン乗った事ねーからわかんね(笑)
ただ、ひとつ言えることは、もし大人しくなったとしても、それは牙を抜かれたという類のものではないように思うのです。
なんてんですか、花山薫の渋みといいますか(意味不明)。
俺、花山薫の熱烈なファンなんですよね。申し訳ないけど。
どうなんでしょう、RX−8の動力性能、限界値ってのは試乗ではわからんです。例えばクルマ雑誌がよくやる筑波でのタイム。
なんかですよ、そういうの関係ないやって。そういうの。ロードスター乗ってる奴ならわかってくれると思うんですが、数字じゃないんですよね、スポーツカーは。レーシングカーは数字が全てですが、スポーツカーは違う。
先代のセブンには無かった、ロードスターと同類のオーラがね、RX−8様から発せられておるのです。数字で決まるんならドライバーはいらねえよって。よくわかんないんですけども。
特筆すべきはその売価設定でしょう。
ロードスターより少しだけ高いって値段なんですよ。
べらぼうに安いです。ロードスターの一部限定モデルだと、RX−8様のベーシックモデルより高いくらいです。これはマジでシャレならんです。安過ぎっすよ、マツダさん。ふざけんな。ケンカ売ってんのかゴルァ!
金が無いのに、めちゃめちゃRX−8様所有欲が湧きまくりっす。ベーシックモデルなら、おれが今のロドスタ買った時と同じ値段なんすよ。かー。どうするよ、おい。この安さは反則だろう。
史上最強です、RX−8様。
パンツ濡れまくりです(汚)